このブログは、とんでもない田舎に生を受けた人見知りの少年が、やがてコミュ力お化けになり年収3,000万超えを果たす迄の軌跡である。
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”君も1,000万プレイヤーにならないか?”
筋肉がムキムキのお兄さんの写真と共にそう書いてあった。
「これだ!」
就職活動の話である。
新卒用求人サイトを眺めていた青年。
国語の教師になる夢は大学受験に置いてきた。
大学生活はアルバイトばかりしていたが、アルバイト先からの社員雇用は断った。
そう、青年は特にやりたいことが無かったのである。
(やりたい仕事は新卒を募集していなかったのもあるが)
友人の「やっぱり日本の中心を見ないとな!」というよく分からない発言をかっこいいと感じてしまった青年。
東京の仕事を探していたのである。
そこに出てきた件の求人。
田舎に生まれた純粋無垢な青年には、1,000万円というフレーズは強烈だった。
早速応募し、面接を受けに大阪へ飛んだ。
(本社は大阪だった)
面接は集団面接だった。
会場に入ると横並びの椅子が5つ。
どうやら5人での面接だ。
面接官は3人。
コテコテの関西人の様な印象だ。
ペラペラのリクルートスーツを着た若者たちが着席すると、面接官が突如慌て始めた。
何か起きたのか分からずいると、面接官からアナウンスがあった。
「急遽ですが社長が面接に参加します!」
だからと言って何か変わるわけでも…と思っていると、陽気なおじさんが面接室にやってきた。
「やっほー!なになに!?ウチの会社受けに来てくれたの!?」
TUBEの前田さんの様な、さっきまで常夏のビーチにいたと言われてもおかしくない風貌のおじさんがウキウキでやってきたのだ。
席に着くなり、「じゃあ面接始めよう!はい!君から!」と突然ゴングを鳴らし始めた。
そして、君とは青年のことだった。
人見知りが治っていた青年。
間髪入れずに返答した。
「はい!なんでも聞いてください!どうぞ!」
社長「元気やなぁー!大学どうやった?」
青年「いや本当に色々あったんですよ!」
社長「え!?何があったん!?教えて!」
言葉の高速キャッチボールを繰り返し、どれ程の時間が経ったのかは分からなかった。
ひとしきり喋り倒したのち、面接官からアナウンスがあった。
「あの…社長すみません…もう面接の時間終わりです…」
なんと、集団面接にも関わらず社長と青年の世間話だけでタイムオーバーとなってしまったのだ。
一言も話せず面接を終えた4人からはとても睨まれていた様な気がする。
一次選考通過者は後日連絡とのことで会場を後にした青年。
ニ次選考のことを考えつつエレベーターへ向かいテクテク歩いていると、
「おーい!」
その大きな声に振り返ると、先ほどの社長が駆け寄ってきていた。
「君採用!!よろしくね!」
こうして青年の就職活動は終わったのだった。
ここから青年は昭和体育会系企業の一員となる。
勿論青年はまだそのことに気付いていなかった。
(続く)
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